コニの読書日記

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【読書日記】物流業界の仕組みとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

 今回は、「物流業界の仕組みとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」を読みました。ちょうどこのブログを書いている少し前に、Amazonから荷物が届きました。ネットで注文したものが自宅に届く、この便利なシステムを支えるのが物流です。そんな便利システムの仕組みを知りたいと思い、この本を手に取りました。

 

物流とは時間と空間を埋めること

 本書では、物流の役割は生産者と消費者の時間と空間のギャップを埋めること、と紹介されています。この表現がとてもしっくりきました。北海道のカニを食べたいと思ったとき、北海道に行かずとも取り寄せることで、空間のギャップを埋められます。沖縄のマンゴーを食べたいと思ったときに、自分の時間を使わずに取り寄せることで、時間のギャップを埋められます。

 別の視点で見ると、物流の価値を生み出すには、より遠くから、より早く、モノを運ぶことが重要であるといえますね。

 物流は時間と空間を埋める能力があるって、カッコいいですね!

 

深刻な人手不足

 物流業界での大きな問題がトラックドライバー不足です。この原因の一つが物流業界の過去にあるそうです。1990年代に運送について規制緩和がされ、運賃が約3兆円削減されるという消費者からしたら素晴らしい結果となりました。ただ、その削減分は運送側の激しい価格競争で生まれたものです。より安く・より早くを求め他社と競争をした結果、業界全体が低賃金・長時間労働となってしまいました。この環境が今も続き、希望者がいないことから、人手不足の一因となっています。

 送料無料や即日配達など、利用者からしたら非常に便利なシステムです。ただ、その裏では厳しい環境に身を置く人がいることを意識するようになりました。

 

日本の物流サービスレベルは世界でも上位

 世界に目を向けると、日本の物流サービスレベルはトップクラスだそうです。日本の物流が普通と思っていたので、この評価には驚きです。きめ細やかなサービスが提供されているところに、日本人らしさを感じます。

 ただしサービスをするにはコストがかかります。現状、サービスのコストを物流業者側が負担していることもあり、労働者の低賃金化につながっています。その一方、コスト削減のためサービスレベルを下げると、顧客が離れてしまう....というジレンマがありそうです。

 

デジタル技術の導入

 物流業界にもデジタル技術の導入が進んでいます。

 運送について、ドローンの導入が実証実験が行われています。特に人の少ない山間部に少量配送する点で、注目されています。車ほど多くの物を運ぶ必要がなく、車で行きづらい場所は、ドローンはぴったしですね。

 また、トラックの隊列走行は驚きました。電車のように数台のトラックが並んで移動するそうです。先頭のトラックに後ろのトラックが自動運転でついていくようにして、先頭のドライバー1人で数台のトラックを動かします。

 デジタル技術により、人手不足の解消や、より早くモノが届く進化したシステムに期待したいですね。

 

さいごに

 今回は物流業界の本を読みました!普段何気なく使っているサービスの裏には、非常に多くの人やシステムが動いていることを知りました。また、近年問題になっているモノが運べなくなる問題の中身を学べました。

 日本人的なおもてなしの精神も大事ですが、サービスに対して利用者がしっかりと対価を払う、という価値観も必要だと感じました。